翌日が休みということは、その晩は傍若無人な振る舞いがしばしば顔を出すということである。
明日が休日の瑠璃子にとって、今日は正月控えた大晦日なのであった。
十一時帰宅、簡単な服に着替えて、昨日振られたもつ焼きの「きくや」へ行ってみる。

場所は世田谷線の駅と下高井戸シネマの間。幅の広い階段を登った二階にある。

それにしてもこの辺りは「ちえ」とか「吾作」とか、単騎では難攻不落的なお店が軒を並べているわね・・・
瑠璃子は身も心も高校生で(年齢は成人済だけどあせる)、日大生のバカ騒ぎや常連と大将の掛け合いとかと無縁な境遇だから、やっぱり個人経営の居酒屋は入店にわりと勇気要るのよね。

きくやもまあそうだけどね。そこは豚食いたさに階段を駆け上がる。

初めての訪問。
食卓が2脚、それにカウンターが5、6席。
瑠璃子が入った時点で八割埋まっていて、帰る時もそのまま八割程度の入りだったわ。
みなさん常連みたい。

とりあえず瓶ビール(大)500円を頼んで、串焼きをちょろちょろ頼んでみる。

4a6320fb.jpg

上から、
カシラ(タレ) 110円
つくね(タレ) 240円?
タン(タレ) 110円
シロ(タレ) 110円

菜譜には特に書いてないけど、そのまま頼むとタレになり、塩でというと塩で焼いてくれるらしい。
どれも適度な火の入り具合で、そこそこ美味しい。

看板娘が元気で、なんかいい。
女優の松尾れい子みたいな感じ。

隣のおぢさまのレバーが美味しそうで、一片だけおぢさまが残していたので、もてあましているのかもと思い
「ねえおぢさまぁ~んドキドキ おぢさまのイチモツ、瑠璃子に押し込んでぇ~ドキドキ
とお願いしようと思ったけど、なかなかいい出せなくて、結局追加注文。


e3273fc1.jpg

上から、
さっきのタレカシラ(食べかけ)
カシラ(しお) 110円
レバー(しお) 110円
タン(しお) 110円
そして瓶ビールをもう一本 500円

ちなみに瓶ビールを頼むとき「銘柄にご希望は?」と聞かれたので、何種類かあるのかも☆
瑠璃子はえり好みとか贔屓とかを帝国主義の成れの果てだと思っているから、何でもよい旨伝えると、アサヒスパドライとかいうのが出てきたように思う。


常連に挟まれての一人酒はなんだか酩酊しがちである。
ラストオーダーの24:00も近づいたことだし、一杯機嫌の美少女瑠璃子は、今日も版図拡大の野望を果たし、2000円を渡して元気に階段を下ったのであった。
「女が階段を上がる時」という高峰デコちゃんの映画があったが、瑠璃子が階段を下る時も、周りにはまぶしく見えただろうなドキドキ