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(上)ロースカツカレーエコノミークラス(普通盛り)650円
(下)お店の前の価格表



昔のこと?
ふふ、知りたがり屋さんね。
どうしてそんなに瑠璃子の過去が知りたいの?

ええ、そうね、カツ丼なんて嫌いだったわ。
昔からトンカツが苦手だった。カリカリの衣の脂が口に合わなかった。見るだけで気持ち悪くて、いつもソッポを向いてた。カツ丼だってどうせ一緒でしょって、青春っぽく拗ねたりしてた。
でもある時カツ丼を食べてみたの。びっくりした。おいしかった。卵でグジュグジュになった衣が剥がれて、濡れそぼった真っ白な肉が覗いていた。
身体の奥が熱くなったのを覚えてる。若い潔癖の殻がパカッと割れて、カツ丼色の日差しが射し込んできたの。
その時からカツ丼は好きよ。
でも、トンカツは今もダメ。カツカレーもダメ。
濡れた肉と衣が好きなのは男も同じかしら。ふふ、ボクには難しすぎたかもね。


…といいつつ何故か瑠璃子はその日、カツが有名らしいゴーゴーカレー新宿総本店に入店してしまったのだったあせる
新宿西口のヨドバシやヤマダ電機やソフマップがひしめく家電地域の雑居ビル地下。
聞いたことのある気がする「山頭火」なるラーメン屋の地下。
金沢カレーという分野があるのだそうで、その草分け的存在らしい。
金沢といえば松井秀喜、松井といえば背番号55(ゴーゴー)というわけで、そこら中に松井秀喜の写真が。

単に「金沢カレーってのを見たろうかい」と思って来ただけなんだけど、店先の食券販売機を見ると、

開店~PM5:55まではゴーゴータイム!
ロースカツカレーが100円引き!

カツカレーと通常のカレーとが同価格。
そうなると迷いだすのがオトメゴコロってものよね!!あせる
震える指先がカツカレーボタンに近づく…「瑠璃子、血迷ってはダメ!」理性が警鐘を鳴らす…遠い過去の脂酔いを思い出す…けれど厳格な父の言葉が脳裏をよぎる「お前はカツカレーも食えんのか!ふん!これだから女は…」…

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…」

ポチ

「いらっしゃいませー食券拝見~、はーいカツカレー一丁~」

さて気を取り直しまして。
ゴーゴーカレーの盛りについての表現は一風変わっている。

少なめ…ヘルシークラス
普通…エコノミークラス
中盛…ビジネスクラス
大盛…ファーストクラス

なんで飛行機なのか謎だわね。
あ、そうか、松井秀喜だからかぁ、…と納得した振りをしてみても松井と飛行機の関連は実は全くわかりませんあせる

瑠璃子はエコノミークラスを。店内には1日5食限定「ワールドクラス2.5キロ」盛りのポスターが貼られており、カツ二枚その他揚げ物諸々と正気の沙汰でないメニューが告知されている。
そんなの注文したら、
「分け入っても分け入っても豚のカツ」
と、一階が「山頭火」だけに、悲惨な目に遭うのが目に見える。

目の前でカツが次々揚げられており、その時点でかなり胸焼けであります。

「ロースカツカレーエコノミークラスお待たせしました!熱いので気をつけてくださいね~」
カレー到着。
金沢カレーというのは金沢で生まれた黒っぽいカレーで、何故かステンレスの平皿に盛るのが作法であり、キャベツを添えるのが流儀らしい(全て店内情報)。

エコノミーにしておいて良かった。盛りはそんなに常軌を逸することなく、充分食べきれる範囲だけど、これ以上はもうたくさんって感じ。
お味についてはカレー自体はまあ可もなく不可もなく。なるほど黒い姿をしているけれど特段特筆すべきこと見当たらず。
懸案のカツは「キャベツおかわり自由」の力を得て退治。
何とか気持ち悪くもならず、大人の階段をまた一つ登っちゃいました☆

また来るかどうかは不明。
でも店員の中華なお姉さん達が、キビキビしていてニコヤカで、そこがとっても清々しく感じました。

中国にいる中国の人は、ふてぶてしいけど照れ屋で頑張り屋というのが瑠璃子の印象。来日後、日本に慣れてふてぶてしさを開花させちゃう人もいるけど、ゴーゴーカレーのみなさんは別の要素で開花した感じが素敵でした。