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皇庭餃子房が西の横綱ならば、下高井戸中華界東の雄が康楽。
中国本場原理主義者である瑠璃子は皇庭餃子房びいきでした。
そんなわけで初入店。想像と違い、上品な印象のお店でした。



いつも刀削麺以外の中華麺は麺に非ずと豪語している瑠璃子。
けれど考えてみればやきそば系は大好きです。
特にあんかけのかたやきそばと来たら、もう・・・。
かたくなに凝り固まった麺を優しくほぐす。その身を餡の海に浸す。
キラキラと輝く麺と餡は、最後にはどこから具でどこから麺なのかわからない美しき混淆体へと昇華する・・・。
味もさることながら、その変化の妙は実に楽しいものです。

よっしゃ、やきそば系で行こう、と門をくぐりました。自動扉のそばには素敵なプチ枯山水が。
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店内は予想通りかなりの広さでした。午後の変な時間だったので他にお客さんは2組のみ。
この写真には半分か6割程度しか映っていません。いや、2階にも座席があるらしいので、4分の一でこの広さ。
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メニューを拝見します。
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日本の中華屋さんにおかれているものは一通り網羅されている様子。
定食にも心を惹かれましたが、ここは初志貫徹で「五目かたやきそば」800円にします。

店内には喫茶店のような優しいBGMが流れ、食卓が油でべとつくようなことも全くなく、実に穏やかな時間。
町の中華屋さんというよりは、中華ファミリーレストラン「バーミヤン」の原型といった感じ。

さて、五目かたやきそばが来ましたよ。
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 ほほう。正直なところ量に関しても上品。お皿の余白が大きく感じられます。
しかしかたやきそばは油物ですから、実はそれほどの量は必要がありません。
お皿の隙間を辛子で埋めるのは見栄えからして良い発想ですね。

さっそく麺をポキポキとほぐしながら(?)、口に運んでいきます。
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おお!美味しい!
美味しさの理由が説明できるほどに料理人の自覚的な工夫がなされている、と感じました。
まず麺が良質。
安いかたやきそばの場合、麺を揚げる油が劣化しているのか、もしくは麺を揚げ置きしているのか、嫌な油の味が麺に沁みこんでしまって、餡で麺をトロトロに中和してからでなくては、とてものことに食べられたものでないことがあります。この麺はその点非常に作りが丁寧。
油の臭みが残っておらず、ポキポキの段階から麺だけで食べても充分な美味しさが味わえます。
そして餡。
アツアツでやけどしそうなほど。この温度が麺のかたくなな姿勢を溶かすのに有効なのは当然みなさんご存じのところ。
具も豊富にはいっていました。ウズラの卵や海鮮、人参にきのこ類。袋茸でなかったのは残念ですが、マッシュルームもそれはそれで濃厚なうまみがありますね。ピーマンの苦味も美味。

総じてうまくまとまっている五目かたやきそばでした。
スープも美味しく飲み干し満足しました。
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ちなみに「持ち帰り可」だそうで・・・これは瑠璃子に対する強力な誘惑ですねえ。
なお火曜日は定休日だそうです。

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