CA3J0340aaa

諸君、何をモタモタしている!終焉の時は近いのだぞ!!
・・・というわけで2013年6月16日に終わってしまう東京国立科学博物館の「江戸人展」に駆け込んできました。
「江戸人展?なんだ?なんだ?」
という君!迷っている暇はない、今すぐ上野へ行け!
オススメ!!

※本文中には人骨写真が交じっています。「怖い・・・」という方は見ないが吉です♪

 



フライデー・ナイト・フィーバー!!いえいいえい!!
金曜日は午後八時まで開館している国立科学博物館。
江戸人展が終わってしまいそうなので、急いで下校して上野へ行ってまいりました。
CA3J0342


そもそも「江戸人展ってなによ」というあなた。
懐かしいわ・・・瑠璃子にもそんな時代があったわね・・・昨日まで 

昨日のこと。
「ゲルトン、それにしても最近は実に味気ない毎日だね」
「そりゃあ姉貴がバカ丸出しだからでさあ!あっしは近々「江戸人展」に行くつもり。今から楽しみで仕方がねえ!」

なんだ?「江戸人展」?
ゲルトンにコケにされては沽券に関わります。調べてみるとこれが実に面白そう。
「江戸人」というとつい江戸の人々の生活文化を特集した展示かな?と思ってしまいがちですが、ここでの「人」とは実に「人体」。
発掘された江戸時代の人々の骨から、生物学的に何事かを読み取ってしまおうという、まさに科学博物館で開かれるに相応しい展覧会。
「おい、ゲルトン何故今日まで黙っていた!!展覧会は6月16日までじゃないか
「訊かれなかったもので♪」
「ぐぬぬ・・・」


金曜日は夜20時まで開館。ありがたさで前が見えない><
何とか放課後のあれやこれやをほッぽりだして、19時頃に入館することが出来ました。
「江戸人展」は常設展示の一環として企画されたものなので、通常の常設展観覧料600円で見ることが出来ます。
さあ、お江戸の門をくぐります!
CA3J0348

 

すると・・・「わあお・・・」骨骨骨骨・・・・
CA3J0352
 

江戸期の人骨を調査すると、町人と武家とでは明らかに骨格の傾向に違いが見えるのだとか。
柔らかいものを食べている武家は顎が華奢で鼻が高くなり、一方で町人はがっしりとした下顎、平べったい鼻。
それらの形質が二百年以上にわたって保たれたのですから、如何に武家層と町人層の間に血の交わりがなかったかがよくわかると思いました。


こちらは全身骨格。江戸期の60~80%の骨に、若年期の栄養不良や病気の痕跡が残っているのだということです。江戸時代は生きるのに決して楽ではなかったのだと解説文は語っていました。
CA3J0354
 

ああ、この人たちが、ほんの数百年前には、生きて動いていたのか・・・。
ああ、何とも言えない気持ちです。


こちらはお歯黒の匂いをかぐことの出来るコーナー。
クンクン・・・おへぇ!!
「こ、これは完全に〇〇〇〇の匂いだわ・・・よくこんなものを歯に・・・」
正解は是非実地に感得してください。
CA3J0351
 


残った時間で科学博物館の一般の常設展示もピンポイントで駆け抜けました。

日本列島の原始時代からの流れを展示したコーナーに立ち寄りました。
パネルによればこれまでに日本列島に生まれた人類の数は5億人以上と推定されるのだそう。
これを多いと思うか、それとも現代人のあまりの繁殖ぶりに泡を食うか。


ああ。
すでに4億は骨。残り1億数千万もじきに骨。
呆然とするよりありません。



最後に恐竜にご挨拶。6500万年前の生物がやっぱり今は骨・・・。
ホタルノヒカリに追い立てられながら博物館を後にしました。
CA3J0366



帰りの電車で見る人、人、人。
そのいずれもがフライデー・ナイト・フィーバーに顔をほころばせ、お酒に頬を染め、同僚と笑いあい・・・。
これが、いずれ、みな、骨になる。
「昭和人展」「平成人展」、それらが開かれる頃には、この世に一人として今生きている人は存在しません。 

ああ。
何という不思議。
ああ、なんといえばよいのか、ああ、もう、ああ・・・。

メメント・モリ。 
「最近は実に味気ない毎日だね、ゲルトン」なんていってられなくなりました。

江戸人展、オススメ!
残り僅かに2日間!諸君、死に急がず、江戸人展に急げ!!

※常設展の中の1企画なので、それほど大きな展示会ではありません。1時間でサクッと済ませても充分すべてを見られますよ。
CA3J0339aaa