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2013年10月23日。
久しぶりにコンサートへ行ってきました。
「没後50年記念 フランシス・プーランクの夕べ」。

曲目は、プーランク、プーランク、そしてプーランク。
初台の夜がプーランク色に燃え上がりました。






それにしても一体何年ぶりの演奏会でしょう。
 アマのオケは時たま聴きに行っている気もしますが、プロに限れば実に10年近い空白ではないかしら。
ああ、かくも長き不在。

沈黙の10年を破るのに選んだのはプーランクでした。
というよりは、この演奏会のポスターを見た途端、何やら天啓の光が差し込みまして。
「おお!これは聴きに行かねばなるまいて!」
それがわずか前日のこと。
眼目は「スターバト・マーテル」。CDでしか聴いたことがありません。


水曜日の放課後、浮世のアレコレはさっさと後ろに放り棄てて、いざ初台のオペラシティへ。
パリのオルセー美術館のような広壮なアーチが気分を盛り立ててくれます。
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息せき切って当日券を確保して、開演までのわずかな間にあたりを闊歩しました。


オペラシティの隣には闇に浮かぶテニスコート群。
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新国立劇場のオペラ劇場ロビーで開演を待つ人々の影。
メランコリックで都会的な良い絵になります。
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 ちなみに「フィガロの結婚」がかかっているようで。
「・・・う。」
一瞬プーランクと天秤に掛けましたが、ここは初志貫徹でプーランクかと。



というわけで。
思いのほかガラガラの客席が残念だったけれど、たっぷり2時間半プーランクの音を浴びてきました。

・「メランコリー」(ピアノ)
・「3つの小品」(ピアノ)
・歌曲「モンパルナス」(ソプラノ&ピアノ)
・「フルートソナタ」
・「クラリネットソナタ」
・「六重奏曲」(ピアノ、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン)
~休憩~
・「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」
・「スターバト・マーテル」
 
スターバト・マーテル以外は全て初めて耳にしました。
長らくフランス音楽の「軽さ」に馴染めなかった瑠璃子ですが、どの曲も楽しむことが出来ました。
特にピアノ独奏と、フルートソナタ、六重奏。そしてオルガンとティンパニの協奏曲。


プーランクの音楽は、これをなんと評したらよいのでしょう。

ロマン派の標題音楽とは違う、純然たる「音自体」の煌めき。
かといって現代音楽のような突き詰めた息苦しさはありません。
・・・新古典主義みたいな?

・・・なんて半端な知識で生煮えなことを考えながら帰る道すがら、よし、今後は頻繁にコンサートに出没する女になろうと珍しく前向きな決意をしたような次第でございます。



そうそう、フルート独奏の上野由恵さんという方。
溌剌としたさわやかな立ち振る舞いがとても素敵でした。
クラシックの独奏者って、何故か女性はけたたましいクジャクの着飾り、男性は錦織健のような油ギッシュな方が多いような印象です。
そんな中にあって上野さんの若い弾むような佇まいは、まさにプーランクの煌めきそのもののようで新鮮な驚きでした。