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信時潔。 
戦中の「第二国歌」、『海ゆかば』の作曲者。
容貌魁偉なおじ様。 
日本の西洋音楽始祖の一人。 

2月11日、その大作「交声曲『海道東征』」を聴きに行ってきます。
熊本へ。 


信時潔との出会いは、思い起こせば遠い小学校時代。
たまたまめくった作曲家事典の巻末近くにその人の写真が載っていました。
「誰?このモーツァルトやリストとは似ても似つかぬ、日本の田舎の成金農夫は」。
それが最初の印象。
このおじさんが作曲家?ヴァイオリンやオーケストラの甘美な音楽を生み出した?まさか!悪い冗談!

・・・それがいつしかここまで気になる人になってしまうとは。


信時潔の『海ゆかば』が、たといどれだけ美しいメロディであろうとも、それが多くの人を死に駆り立て、多くの人の死をみとってきた歌であることは否定できません。
でも、そのように重い歴史を持たされた歌だからこそ、もっとその歌とその時代のことを知り、受け継いでいかねばならないでしょう。

『海ゆかば』への興味が信時潔への興味に繋がりました。
信時潔への興味は、彼の最大作『海道東征』に瑠璃子を導きました。

冒頭写真の一番下のCDは、2003年にオーケストラニッポニカが行った『海道東征』演奏会のライブ録音盤。
単純素朴なメロディと和声。それなのに素敵でした。


久しぶりに再演される『海道東征』を、初めて生で耳にすべく、熊本へ行ってまいります。
先日の「五線譜に描いた夢 ─ 日本近代音楽の150年」展で『海ゆかば』のスケッチを見たとき同様の感動体験となることを期待しています。

演奏会は2月11日。日本の国の始まりをテーマにした曲ですから「合わせてきたわね」って感じです。
ですが『海ゆかば』の作曲者であることも思いあわせれば、ちょっと挑発的に過ぎやしない?と苦笑い。

だいたいなんで熊本なのかしら。
東京都知事選に敗れた殿のお国入りと同じ飛行機だったりして。
そう、苦手な飛行機で行くんです。怖い・・・。いってきま~す・・・。